Tortoise Bar

英国園芸&珈琲日記

RHS Wisley Flower Show

行ってきた。

やっぱりウィズリーは凄い。。世界の最先端を行っている。キューよりも、こちらを見るほうがいい。

 

11時少し前について、集合時間の4時ぎりぎりまでうろうろしていたが、とても全部は見きれない。

 

定番のコテージガーデンやローズガーデンもいいのだけど、私の関心は造形に移りつつあることもあって、鳥肌立つくらい凄かったのがトロピカルガーデン。すさまじい迫力。

 

 

 

つづいて、一目見てわかりますね、私の大好きなトム・スチュワート=スミスデザインのグラスハウス周りのボーダー群。水の反映、ガラス張りのモダンな建築、曲線にあわせて植え込んだ植物たちが、ただただ見事。

 

 

 

 

 

そして、ピエト・オウドルフのグラスボーダー。しびれる。ボーダーですから左右対称です。このボーダーや、南アフリカの植栽のあるグラスハウス周りの植栽が一番好きでした。

 

 

ラベンダーとローズマリーだけで構成された丘。香りで本当に癒される。ラベンダー2種類とローズマリー1種類しかないのに、こんなに美しいとは・・。

ラーニングセンターでちょうどやっていた「耕さないガーデニング」の講義を1時間聴いた。雨が土砂降りになり、タイミングよく雨を避けることができた。

 

段ボールをしっかり濡らして土の上に置き、その上に5センチほど、何でもいいからコンポストを敷いて、できればその上からバークチップなどでマルチをして、少しなじんだ頃に野菜など植える、というもの。イギリスでは、干し草のマルチはなめくじの巣になるので不可だそう。

 

あとはブース巡り。

秋ということもあり、ブースの数は少なめ。このくらいが見るのもちょうどいい。

 

確かにお得なものもあるし、送料を考えると、気に入ったものがあったら連れて帰ってきたらいいと思う。でもネットで何でも買える今、フラワーショーで購入するメリットはもうそんなにないかもしれない。

 

それより買い物するならRHSのガーデンセンターをじっくり見るのがおすすめ。

ここの品ぞろえは圧巻で、今日はディスカウントバウチャーも持っていたのですが、すでにショーでそれなりに買い物をしており、時間切れになりかかっていたのであきらめた。

 

今物の整理をしているから、できるだけものはふやしたくない。来年の植栽計画も大体めどがついている中で、買っても仕方がない植物が増えたし、胸のすくようなスチュワート=スミスのデザインを見てしまうと、今育てている植物が大きくなるのを見届けてから次に行くべきだと思った。

 

それでも珍種で、お買い得品4点と、プラントサポートで手ごろで質のよさそうなもの2つを買ってきた。今日見て気になった植物を熟考の上、今後セールで買い足すことはあるかもしれない。とにかくたくさん写真でメモしてきたので、自分の庭に合うかどうか、1つずつ検討していく。

 

どこをとっても光り輝く植物たち。生き生きとしている植物はみな素晴らしく、つまらぬものなど一つもない。実力を100%生かしてあげれば、つまらない植物などないのだなあ・・。

 

あの大熱波・酷暑・水枯れの夏を経てこの美しさを維持できているのはどういうことなのだ・・。しかも季節は秋の始まりで、普通の庭ならだれてしまっているところ。

 

もちろんバックヤードで仕込んでいたものに植え替えなどもしているとは思うけれど、植え替えできない植物もぴかぴか。

 

剪定をかなりきっちりやって、傷んだ花や葉は落としているのだろうけれど、グラスハウス周りは枯れたもの、花後のものも残してそれを楽しむ風情になっていて、その匙加減が絶妙。ここまでのケアができる庭が世界にどれだけあるかというのが、世界有数の庭だと思う理由。

 

RHSウィズリーは、公共機関で行くのはなかなか面倒だったのですが今年から、最寄り駅のWokingからRHSの運行するバスが出るようになり、アクセスが良くなった。

 

今日は地元の園芸協会がチャーターしたバスに乗って、家の近所から集団で行ったから楽でした。それにしても午前中で駐車場はほぼいっぱい、レストランなども満員だったので、最低限の自分の飲み物&食べ物を持ってきたほうがよかった。フラワーショーがなかったら、普段の平日はすいているのだろう。

 

このフラワーショー自体は、一度行けばいいかな。ウィズリー自体はいつ来ても見どころがあるので、次は冬に来てみたい。自力でも割と行けそうだったら、1年間だけRHSの会員になってもいいかも。

 

今回初めて園芸協会の人たちと顔を合わせたのですが、どう見ても私が最年少。存続が危ぶまれているそうです。

 

このショーの参加と、あと資材が割引になったりして、会員費はすぐに元が取れる。でも来年もメンバーを続けるかどうかは微妙かなあ。隣の町にも別の園芸協会があるものの、そこもやっぱり高齢化している。自分が本格的なおばあさんになってから参加するほうがいいのかしら・・笑

 

夢のようなひととき。素敵でした。食事するのも忘れてあまりの美しさに見入ってしまった。1年に1回は最低でも行きたいなあ~。

 

 

 

 

グルスアンアーヘン

つたない写真ではうまく伝わらないけど、こんなにきれいな景色を作り出せたことに感動・・。

グルス・アン・アーヘンは作出が1900年頃の古いバラ。現在のバラと比べても古さを全く感じない。

鉢植えにして、初年度はきれいだったもののそれ以後どうにも調子が出なくて、掘り起こしてみたらミミズに根っこをやられてしまっていた。最終的に地植えに変えたら大化けして、数えきれないくらいのつぼみがついた。これが真の姿だったわけ。

 

このバラのあるあたりが光がさして見える。

石鹸のような上品な香りが漂う。

 

今年は秋が来るのが早い。秋バラもどんどん咲き始めた。去年は11月中旬ごろまで花があったけれど、今年はたぶん10月までで終わるだろう。

 

夏が暑すぎたせいか狂い咲きも多い。なんと、オキナグサの花が咲いた。

我が家ではこのほかに、夏に植えつけたエルダーフラワーの仲間であるサンブーカ・ニゲラも開花。同じく、フロントガーデンではアルミケラモリスも開花。

 

ウォールドガーデンでは、春にしか咲かないはずのガートルード・ジェキルが咲いていた。右手に見えているのはソラナムの実。

植えつけ時に分岐を増やすため、花をカットして植えつけたベロニカ・アルブムや、サルビア・カラドンナも今頃になって花穂が上がってきて、これからしばらく花を楽しめそうだ。

 

カンナ・シュトゥットガルトの花。

3つあるうちの1つの株だけ開花した。植え付け時に「これが一番調子よさそうだな」と思っていた苗だった。

 

遅まきながら成長中のニコチアナや、アグロステンマ、カスミソウなど、花が咲くか、気温が落ちるのが先かのレース状態。日照時間もどんどん短くなるから、花芽をつけるための日照時間が足りないまま終わるかもしれない。

 

原種系グラジオラスを10個、フロントガーデンに植えた。

来週はアリウム・クリストフィの植え付け予定。ほんの少しだけフロントガーデンのボーダーの拡張もやる予定。

 

雨が降って土が柔らかくなり、作業がやりやすくなってきた。暑かったからいろいろサボっていたけど、ガーデナーの新年、10月に向けまた少しずつ作業が始まる。

処分中

ノートPCが壊れてしまい、データの移管などに手間取っていましたが、やっと新しい環境で使えるようになって復活。

 

この間、不要物を処分しまくっていました。

実際には不要物として売りに出すものなどもあり、すべてが家から出ていったわけではなく、まだまだ処分可能なものがある。それでも家の中が相当すっきり。

 

やってみると実感する、物を買うのは簡単だけど処分するのはその倍以上大変。

 

それが身に染みたので買い物をしなくなった。コロナになってから買い物といえばコーヒーかガーデニング関連の消えものがメインになった。それでもやっぱり余計なものを買っていたようで反省。

 

コレクションとか、そのうち使うだろうとか、引退したらとか、そういうことは考えるのをやめにした。そんな日は来ない。それより、今あるものを今使い、ダメになったらさよならする。

 

また、収納して目に見えないところにいってしまうと、それは所有していないのと同じことになる。季節的に必要なものやスペア、物価高に備えてのストックなどは例外として、ただしまってあるだけのもの、手に入れるのが大変だったとか、高かったからとはいえ20年たっているとか、そういうものも処分リストに入った。

 

ただし人のものには手を付けないのが鉄則。

娘は潔く処分できるタイプなので、いる? いらない? と聞けば即答するし、不要になったものはすぐに処理できる。

 

夫は物持ちがよく、買い物嫌いなのはいいと思うが、これは使えるのではないかといつまでも壊れかけのものをとっておいたり、あと安物の便利グッズを買ってしまう癖があって、中途半端である。それらも話し合って少しずつ処分する。

 

基本的に、物が多すぎる、いずれダウンサイズすることを見越して物を減らそう、という点で家族全員合意できているので、とりあえず自分は2025年までに自分の持ち物を3分の1に減らすを目標にしてやっていく。

 

刺繡や裁縫はどうすべきか・・。

やりたかったけど、これからの優先順位を考えるとあと2年くらいはできないかも。

 

そうなるといったん手放したほうがいいという結論になるのですが、これから冬になるので1日10分ずつやって、来年の春までに片付かなかったら処分リストに入れることにする。

 

ガーデニングに関しては、バラ3本、チューリップとアリウム、ヒアシンス、原種系グラジオラスの植え込みが今年は残っていて、その他種で育てているものは少し選抜して冬越しさせ、来年植え付け予定。

 

そのための資材が若干必要になるが、来年にまく予定の種もあるので、2023年こそはもう買い物はしない。大体スペースのめどもついたこともある。木を植えたかったのだが、それは、これからの景気状況などを見て判断しようと思う。

 

別に大病にかかったりしているわけではない。しかし、予想以上に自分の残り時間が少なくなってきている気もするので、やはりすべての環境において、自分の好きなものだけを少数身の回りにおいて暮らす生活がしたい。

 

なのでまずは身辺の整理から。先月はたまっていたものが多すぎて、すぐに判断がついたが、今月からは考えたり保留になるものも多いので、毎日見返しながら少しずつ前進。

 

 

 

WatchHouse

某月某日

WatchHouseにいってみた。

ガーキンのそばにある。

 

 

行ってみて気づいたのだが、ここではなく、近くの別店舗に行くつもりであった・・。

そちらはガラス張り3階建てで眺望がすばらしいとか。こちらのほうはテイクアウェイがメインで小さい。時間がないのでコロンビアのフィルターとシナモンロールを注文。

 

働いている人たちが元気がなく、また、店が混んでいて全然落ち着かないので、近くのテーブルで。

 

出てくるのが早く、バッチブリューぽかったので、どんなもんかなと思っていたら、びっくりするおいしさであった。発酵が入っている、しっかりしたフレーバーのコーヒー。普段飲んでいるWorkshopはすっきりクリーン系なので、たまにこういう強めのコーヒーを飲みたくなる。

 

この界隈、スペシャリティコーヒーの店が増えた。不況で店が閉まった後に入るのは大概コーヒー店のようだ。ランチを買う代わりにコーヒーに予算をとることに決めたのだが、皆その傾向にあるのかもしれない。何しろ、物価の上昇が半端ない。冬場のガス代が払えないかもしれない家庭がイギリスの家庭の半数に達するという試算もある。

 

いろいろ行きましたが総合点でやはりPrufrockがいいかな。落ち着ける。今後はPrufrockに固定することにする。家では、結局Workshopのサブスクをはじめた。1か月に1つにして、足りない分は追加注文するか、Prufrockで買ってくる。

 

Workshopのサブスクはお得で、送料込みで13ポンド。実際は実売13ポンド以上の豆を送ってきた。またコードをくれるので、それでコーヒー関連の道具や豆も割引で注文できる。定期で売り上げがあがるというのはそのくらい企業に対してありがたいものというのはよくわかる。

 

 

 

 

トウゴマがきれいな植え込み。これはさすがに季節に合わせて完全入れ替え制の植え込みですね。

 

 

いつものトム・スチュワートスミスの植え込みでランチ。今日は人が少なかった。

この木が気になる。特徴が少ないので逆に同定しにくい。さりげなく溶け込む感じで邪魔にならないところがよくて、ついこの木の隣のベンチに座ってしまう。

 

もう秋ですね。夏を終えて我が家もまたバラが咲き始めた。これから花色が冴えて美しくなる季節がやってくる。

 

 

整理整頓

 

夕暮れのウォールドガーデン。日暮れ時の光線がきれい。

夕方に来て人がいないと、庭を見ている間にカギをかけられたらどうしよう・・と思い、ゆっくり見られないのですが、今日は何人も人がいたので安心して眺めることができた。

 

日に日に日照時間と温度が下がっていく。

Oxeye Daisyがいつの間にか発芽して、大株になった。分けなおして数か所に植え込んだ。

すっかり忘れていたシクラメンも葉を出してきた。

 

ヘレボラス・ニゲラもすっかり大株になり今の鉢では根が回ってしまっている。少し時期が早いが株分けしてみた。またミミズ発見・・。1つは地植えにして、2つは鉢植えにしたが、またそのうち出てくるに決まっているので、どうしたものか。

 

ミミズ専用の殺虫剤というものも英国にはなく、水責めでいなくなるということだったけど、一晩漬けても、50度洗いしても、死滅させることはできなかった。基本的に鉢植えの土は毎年変えて、少しでも被害を避けるようにするしかないのだろう。

 

気温が下がるとナメクジやカタツムリの洗礼を受けることになる。ペレットやスプレーで対策すると同時に、枯れてしまった葉などを取り除くこと。白い卵が結構見つかる。ヒューケラが絶好の隠れ場になっているので再考中。

 

ジニア・ライムグリーンもつぼみがついてきて、今月末頃から花を楽しめそうだ。こぼれ種からカリフォルニアポピーも芽吹いてきて、今年最後の花を見られるかどうかの瀬戸際かな。

 

ユーフォルビア・ファイアグローは、よく見たら少し離れたところから新しい芽が出てきていた。枯れたと思った幹からも葉が少しずつ伸び始めている。霜が降りるまであと2か月以上あるので、頑張って体力をつけて冬越ししてもらいたい。

 

さて我が家のバラは今どうしているかというと、

スパニッシュビューティからベーサルシュートが出始めた。さすが地植えにしてから勢いが出てきた。

ハーロウカーも猛烈につぼみをあげてきている。庭に出るたびに良い香りが漂ってきてとても良い。

 

本家のアイスバーグは大規模剪定をして秋の最後の花に向け準備中。

隣家との塀に接しているサイドは、花が咲いても見えないし、高くなるばかりでもあるので、こちら側には花をつけさせないようにバッサリ切って、他のところに養分を回してもらう。

 

今年は暑すぎたせいもあって、もともと暑さに弱いロサ・グラウカはぼろぼろになってしまった。ほとんど葉が残っていない状態。新しい芽も見えているので枯れることはなさそう。

 

ファンタンラトゥールは地植えにして2年目で、すでにもう奥が見えないww

少し枝を間引いたほうがいいかも。もっともその作業は冬に行うべきなので、今はこのまま。

 

セレスティアルを朝見たら枝の上部がほぼなくなっており、チュウレンジバチの幼虫が複数でせっせとお食事中であった。すかさず切って幼虫は踏み潰し、枝ごとゴミ箱行き。危ないところだった・・。本当に一気に食い尽くしにかかるのだということがわかった。

 

 

 

リナリア・キャノンウェント、花が終わって切り戻ししようと近寄ってみたら、これまた蝶らしき幼虫が大量に発生していた。枝を切ってから踏み潰し、1匹だけ残した。

 

今年は虫が多い・・。アブラムシは少し減った気がする。去年まで、ミツバチを見かけることがあまりなかったが、今年はバンブルビーより断然ミツバチのほうが多い。ヒマワリの上で寝ているのをよく見かける。

 

捨てるつもりが直前で気が変わって地植えに変えたローズマリー、確か5月頃に植えてから1度も水をやっていないがご機嫌の様子。やっぱり乾燥に強い植物はいいな。

 

大きくなりすぎたシロタエギクやキャットミントを切り戻し。フロントガーデンから移植したルリタマアザミは根付いたものの、この二つの植物に結局飲み込まれてしまった。

 

ネメシアは2回開花したところで株が弱ってきた。抜いてみたらすっかり根が回っていて、ここにもミミズが入り込んでいた。単体ではかわいい花だけど、庭全体の雰囲気には合っていないと感じていたし、処分することに。

 

掘り起こして取っておいたアリウムの球根は、先日の大雨に当ててしまって痛んでしまい残念ながら処分となった。

 

またコーンフラワーも引退。3か月以上楽しませてもらった。この青を毎年見ないとやっぱり落ち着かない。来年もどこかに植える・・というか勝手に生えてくると思う。

 

まぬ犬もいたずらできないサイズになった植物は、金網を外し、アクセスしやすくした。

 

ところで、2025年までに、今持っている自分の持ち物を半分に減らすことにした。

これから持ち物の3分の1を処分する。すでに着手中で、確実にものが減って行っている。

 

庭関連に関しては、ツールなど、買ったけど使ってないものは処分して、肥料などもできるだけ使いきって、継続するかどうかを決定しなければいけない。

 

少しずつ整理していきます。

 

夏の終わりに

やっと気温が下がって過ごしやすくなり、待ちに待った雨も降った。これで庭も生き返るだろう。

夏の終わりは少し悲しい。8月はすでに秋のはじまりでもある。

 

ブルースターが咲いた。

 

クレアオースチン? 謎の挿し木バラは再び花が咲いた。すっきりしたとてもいい香り。

しかしベーサルシュートが1本も出ない・・。成長はしているが主幹が1本しかない。体力がつけば出てくるのだろうか。挿し木のグレイスもとてもいい花を咲かせている。グルスアンアーヘンは地植えにしたら化けた。つぼみが無数につき、新しい葉の量も半端ない。

 

我が家では今一つ調子が出ないバフビューティに、真夏の際に毎日大量に水をあげたら元気が良くなってきた。このバラは水飲みなのかも。あと1年様子を見よう。

 

ニコチアナを地植えにした。前に植えたのは全て枯れてしまったが、苗が大きくなったので、今度こそは・・いろいろな位置に植えてみた。

 

ディアレマ(エンジェルズロッド)も2本地植えに。どうも根が弱ってきている様子なので、ダメ元で植えつけた。アヤメの仲間だから乾燥しているほうが得意なはず。イタリアンパセリも植え替えた。タリクトラム・フラブムも鉢上げした。

 

無理かと思っていたジャパニーズアネモネから新しい葉が出てきた。このまま見守ろう。

 

それ以外の種まき組は、芽が出たと思ったら枯れたり、育たなかったり。これからだんだん気温が下がっていくのであと2週間くらいで勝敗が決まるであろう。

 

ホーニマンミュージアムのお庭は今年注目の的のようだ。プレーリーの植物を育てるために、10センチの厚みの砂利でマルチしているそうで、それで雑草がはえず、水はけも大変良い状態を維持できているらしい。

 

 

先日のガーデナーズワールドでも取り上げられていた。何しろこの過酷な天候でもあれだけきれいなのだからすごい。10月にもう一度行ってみる予定。その際は周囲を散歩して他の庭園にも立ち寄る計画を立てている。

 

我が家のフロントガーデンも枯れてないだけましかもしれない。今年の夏は過酷な爪痕を残していった。シュラブが丸ごと枯れたりと、相当痛んでいる家も多い。

 

この夏は、様子を見ながら朝に晩にじょうろで水をちゃんとあげていた。鉢に加えて地植えも、となると水やりだけで1時間以上かかるので大変だった。家で仕事していなかったらできないことなので、このような天候が年々続くならフロントガーデンの植栽を考え直す必要がある。

 

雨が降って、土が少し柔らかくなってきたところで、バックガーデンの整備をすすめるかな。

Power of the dog

下記を読み、久しぶりにどうしても見たいと思った映画。ネットフリックスでの公開。

菊池成孔氏のコラム及び以下を読むとネタバレします。

21世紀の作品は結末がわかっていてもなお自分で体験したくなるものを観賞するのがいいと思います。

 

realsound.jp

realsound.jp

realsound.jp

菊池さんの批評を踏まえて私が思ったこと。

 

ベネディクト・カンバーバッチは、変人が我慢する役ばかりやっている役者である。そして、見る側が共感できる変人であるのもお約束。だからこのフィルも、悪人じゃないだろう、と思ってはじめからみてしまうので、その点で私には「逆転」は起こらなかった。

 

しかしそれでも少しずつ細かい謎が明らかになっていく過程がめちゃくちゃ面白い。かなり集中して観て、終わってからも何かを見落としている気がして、また観たくなる。そういう映画はあまりない。

 

フィルが自分の部下の一人に覆いかぶさってロープづくりをしている、一瞬のコマがあるのですが、これがずばりセックスしているように見える。本当に少しの間のシーンなのですが。

 

フィルがいつも身に着けている革製の作業ズボン(名称がわかりませんが)のせいで、人間に混じってモビルスーツの人がいるみたいに異様に見えるのだけど、これもそんな風に見えるように撮影しているに違いない。フィルは5億光年くらいの孤独の中にいて、モビルスーツ着て自分を隠している。

 

葬式のため、全てを外して髭を剃ってみると、何とも繊細な顔が出てきて、しかも少し微笑んでいるので、何もかも納得して死に、解放されたのだろう・・と私は受け取りました。やっぱりいい役ばっかりやりますね、カンバーバッチ。

 

そういえば超でかい人なのに、この映画では全然高身長に見えなかったな。周りの俳優も背が高いのもあるし、荒涼とした巨大な自然の前で人間は点になるということか・・。

 

いろんな読みときができると思いますけど、無知は罪、偽りは罪、なのではないか。

原作を読んでいないのですが、書かれた年代からして、たぶん小説ではフィルは一方的にいやなやつで、ローズやピーターに圧をかける・・と言う感じなんじゃないかと思います。

 

しかし実際にダメなのは、なんだかんだ言って俗物で奥さんに関しても実は何にもわかってないしわかろうともしていない弟のジョージであり、またその妻のローズも、弱いようで被害者っぽくふるまっていますが、自覚のないまま息子と二人して前夫を死に追いやった「犯人」であるともいえる。こういうタイプの人には全然同情できないね。

 

そしてフィルはフィルで「ブロンコ・ヘンリー」の亡霊に取りつかれていて、そこから抜け出すことができない。直截に言ってしまえば、当時の環境でゲイであることは絶対に公表できないし、自殺行為ななかで、唯一の恋人がブロンコヘンリーだったわけです。その人も遠い昔に死んだ。

 

というわけでお金はあっても使い道もなく、知性があってもそれを受け止めてくる相手もなく、もちろん愛もなく、孤独で、働くしかない。それはフィルだけでなく、他の人たちも同じ。その寒々しさ。

 

結末に関しては、いろいろ考えられる。

なぜピーターは、犯行の道具であるロープをジョージのベッドの下に置いたのか。炭疽病の感染の仕組みは当時わかってなかったのかな? 炭疽病は空気感染は基本的に起こらない。それでも何かしらの方法で、ジョージを殺害するつもりなのか、もしかしたら一緒に寝ている母のローズも? 

 

炭疽病の疑いがあることはすでに気づいている者がいることも示されていて、さらに人が死ねば、犯人がピーターだとわかってしまう可能性もかなり高くなる。

設定が、アメリカ最後のカウボーイ時代なので、経済的にもこの一家はこのあと没落していくしかなく、やはりどう見ても明るい結末は待っていそうにない。

 

どこまで知っていて、どこまで知らないのか、無知なのか、自覚的なのかが唯一分からないのがピーターで、自分に対し自覚的にならざるを得なかったフィル、無知・無自覚なジョージ・ローズのどちらにも属していない。それが殺人者である、という設定は上手い。

 

あと、ジョニー・グリーンウッドの音楽がいいですわ~。鬼才ですね。レディオヘッドが終わって久しいですが、アフターレディオヘッドで最も成功しているのが彼かも。余談ですが菊池成孔氏の文章はいくらでも読みたいのですが、音楽はどうもいまひとつ聞ききれないのは何故かな~。

 

というわけで久しぶりに良い作品を見た。万人受けはしないでしょうけど、いい映画です。