Tortoise Bar

英国園芸&珈琲日記

脱獄囚は掘った土をどうするのか

朝起きると、待ちかねている犬たちをケージから出してやって一緒に庭に出る。

お茶を飲みながらあたりを見て回る。

 

アイスバーグのつぼみがどんどん大きくなり、白い花びらが見えはじめた。

ここで実験。アイスバーグはシュートの先に大体3つつぼみがつく。真ん中が一番大きく、残りの二つは小さめである。

 

この辺はガーデナーの考え方次第であるが、最も大きいつぼみを残し、残りは剪定してしまうと、大輪の花を咲かせることができるらしい。特に四季咲きのバラは最初にエネルギーを使い果たしてしまわないよう、花数を絞って集中させるということができるらしい。

 

これまで基本成り行きに任せてきたアイスバーグ。今年は農薬を使ってみたが基本的にこれまで無農薬・無肥料でほったらかし。にもかかわらず、毎年花をたくさん咲かせてきた。これはすごいことだ。これで香りがあったら完璧だが・・ 

 

今年は思い切って、大きなつぼみを残し周辺のつぼみは落としました。1番花が終わったら切り戻しも忘れずに。2番花は7月頃。さてどうなるか?

 

それから雑草抜き。

よく他人の庭でも見かける雑草のGreen Alkanetというのを抜く。

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勿忘草に似ているが、高さ50センチ以上にもなり、葉の存在感がすごい。今庭に何も花がないので、コニファーの根本にだけ写真の通り残しているが、放置していると葉だらけになり、それが虫に食われて汚らしい印象となる。しかも根っこが太く、抜くのが結構大変。

少しだけだと青い花を美しく感じるが、うっかり増やしてしまうと後悔する植物のひとつ。

 

あと、絶対に花を咲かせないようにしているのがブルーベル。

ブルーベルと言ってもこれは英国産ではなくスペイン産の、スパニッシュブルーベルといわれるもので、茎が長く全体に大ぶり。これも、庭にはやしたままにしている家庭も結構多いのだが個人的には間延びした感じがして好きではない。イングリッシュブルーベルを森の中で眺めるのはとても好きだが、このスペイン出身の花の侵略により国産種は減少の傾向にある。

非常に強力で種で増え、一度根を下ろすと次の年もまた花が咲く。抜いても抜いてもどこからかやってくる。花を見つけ次第すぐに摘み取ってしまうようにしている。

 

雑草は生えてこないようにするのが一番。

バラと果物の木4本のあるエリアは、黒のプラスチックシートで覆ってある。理想はウッドチップなのだろうが、遠くから見ればわからないし、チップは隙間ができてそこから雑草が生えてきてしまうから、それなりに手入れが必要となる。

 

とまあこうやっていろいろやってみて思うのが庭の維持の大変さよ・・。

例えばリージェンツパークには、バラはもちろんのこと、すばらしいボーダーガーデンがあるし、そもそもそれ以外のエリアのちょっとした植え込みもきれいにマルチでカバーされ、土の何とも言えない良い香りと、目で見てわかる土の柔らかさ・・ 女王の持ち物であるロイヤルパークの維持管理費って多分億は行っていると思う。コスト削減のため最近はできるだけ手間のかからない植物への移行を行っているというのだが・・

 

植物を増やせばそれだけ管理のコストが増え、ごみも増える。土埃や落ち葉、花びらの掃除も手間になる。だから自分の庭はできるだけすっきりと簡素に、植物は少数精鋭に。自分で持てない分はご近所の庭や、英国の庭巡りなどをして楽しめばよい。

 

個人の庭も、数日間だけ特別公開される日があったりして、数ポンドの入場代を払うとお茶とお菓子でもてなしてくれるのだ。一度も行ったことがないけれど、そのうち近くのエリアの公開日を探して行ってみるか・・ そういう家は、あっと驚く豪邸も多くて、めったに入れるような場所ではなかったりするので興味深い。

 

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 なぜか悲しげなチビ。

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 何かくれないかしら? のぷぐ子

 

午後はフロントガーデンで穴の始末。

矢車草のエリア、穴の左右に積み上げた土をふるいで超して、きれいになった土を穴に戻し年度の塊や石、根っこはゴミ袋/ガーデン専用の回収袋へ。

これがまたなかなか骨が折れる。掘ったのはいいが土の処分をどうするのかという話。

 

植物性のものはガーデン専用の袋に入れれば回収してくれる。コロナ以降、エリアによっては2週間に1度しか回収に来なくなったとも聞くが、うちのエリアは変わらず毎週来てくれるのが助かる。一度に出していいのは6袋まで、土や岩など重いものを入れるのは厳禁で、持ち上げて重かったら置き去りにされる。

 

じゃあ不要となった土や石などはどうすればいいかというと、スキップという巨大ゴミ箱・・冷蔵庫、ソファなどの家具や家電、家の建て替えで出た不要材になんでもかんでも突っ込んで、いっぱいになったら電話してカウンシルがやっているゴミ捨て場に持って行ってもらう。

 

スキップは家のガレージの前など家の敷地内に設置する。このスキップを借りて持って行ってもらうという有料サービスがあるわけ。ゴミの分別も何もあったものじゃないのだが、家電などの単品をカウンシルに電話してお金を払って持って行ってもらうということも可能だ。

 

我が家もバスルームの改修中はこのスキップがあったので便利だったのだが・・今はない。

よってとりあえず不要な土や石を集めておいて、家庭用のゴミに少しずつ足して捨てていくしかないのであった。

 

穴掘るのは何とかなっても土を捨てるのが大変だったと改めて気づき・・そういえば脱獄するなら、トンネルを掘るなど絶対に知れてはいけないので、土は少しずつ少しずつトイレに流すとか、外で運動するときにあたりにばらまくとかが定番だったような・・・。そうだ、トンネルを掘る話といえばこれがありました、「刑務所のリタ・ヘイワ―ス」 

 

土をほぼふるい終わったものの、使える土が少なく、穴の埋まりは6割程度。もう一つの穴でできた土をふるいにかけてもう少し埋めるしかない。

 

フロントガーデンは南西向きで午後からはかなり暑い。2時間ほどやって退散。

明日も穴埋めの続きを。鶏糞が届いたので穴が埋まったところで肥料を混ぜる作業に入る。