Tortoise Bar

英国園芸&珈琲日記

バラと盆栽

今年の秋我が家にやってきた新人チーム 

右からバフビューティ、グルス・アン・アーヘン(温泉)ファンタンラトゥール(画家)。

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開封時は強剪定されて葉が全然ない状態から3週間弱でここまで成長のバフビューティ。

こいつは大変強いのが見て取れる。この暗い色の葉のバラは大体強烈なのが多い。

 

家に来た時も無理やり花が咲いていたし、その後つぼみがついた。残念ですが今年は花を咲かすわけにはいきません。雨が多いのでうどん粉が少々。どこに植えるかなあ。これは放置しておいても勝手に育つタイプ。

 

残り2名はまだまだこれから。

だがすでにこの時点で画家に一目ぼれ。どうです、この枝ぶり。直立型の樹形は育てやすい。葉がちょろっとしかついてませんが、明るい清々しい色。いい苗だな~。庭の最大の一等地に何を植えるか、果物の木にするかバラにするか迷っている。こんなにきれいなら画家にしようかなあ。

 

でも温泉も素晴らしいのです。きっと花が咲いたら唸ると思います。四季咲きなのもうれしい。季節と温度によって花の色が変化するというから、目が離せない。

 

あと5本くらいはどうしてもほしいのがあるのだが・・夫からはこれ以上増やすなと言われており・・家庭内での徳を積み、実績を増やさねばならぬ。そうはいってもうちのバラは、これで6本。5本追加しても11本と、そんなにたくさんあるわけではない。

 

これが日本ですと・・ベランダや畳2畳分くらいの庭で50鉢とか、すごいことになっている人が結構いる。コレクション100とかもわりとあるようだ。

 

最近天候がよろしくないので、バラの花を切ってきて家の中に飾っている。

そこではじめてトーマス・A・ベケットの花の見事さに気づいた。

この花の香りが良いことは何度か書いた。

だけどこんなきれいな色と形で咲くとは知らなかった。

フロントガーデンだと風あたりがひどく、一日中日光にさらされるので、花がすぐに退色し、風で花びらがぼろぼろになる。咲きかけの状態で室内に持ってくると、これだけきれいな形になるのだ。

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中央部をマクロで撮影。この手の花びらがぎっしりの花型は、写真で見ると気持ち悪い感じがして、なんというか虫とか岩つぼとかそういう感じのいやさだったのだが、実物を目にしますと、そんなことは全然ない。すごいものだと見入ってしまう。そうとわかると現金なもので写真の見方がまた変わるww

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これが完全に開花するとこうなる

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デヴィッド・オースチンのバラが日本で英国以上にもてはやされるのは、至近距離で観たときの美しさ、狭い場所で風を当てずに育てたときの花の美しさがあるからとやっとわかった。保護して育ててやるとキレイなのだ。つまり盆栽向きww

 

室内で見ると、このくらいはっきりしている花のほうが引き立つ。オールドローズの奥様は花びらが薄すぎ、ぼんやりしてしまって魅力が出ない。

 

ベケット氏は植えるところを間違えたかなあ 爆 丈夫な人なのでもっと株が大きくなればましになるかもしれない。この花の形、強烈な四季咲き性とトゲといい、思いっきりチャイナローズの血を引いている。チャイナでベケット氏とそっくりな品種もある。濃いめの赤~ピンクというのもチャイナの特徴の一つだ。丈夫なので日照が少なめのところでもいけるとのこと。

 

うちの斜め向かいの家は西日しか当たらないところにベケット氏を4本植えて、いずれも花が咲いている。もっとも花数は少ないのは仕方ない。

 

 

 

日本はもともとコレクター癖の人が多く、江戸時代の頃から盆栽、朝顔、万年青など、同じ植物の品種違いを大量に鉢で育てる習慣がある。いずれも至近距離で1つずつ眺めるものだ。それと同じ伝統でバラも育てている人が多いのだろう。

 

でもこちらではそういうのは異端。ガーデナーズワールドを見るとスイートピーマニア、水仙マニアとか、プラムマニアとかいろいろいるんだけど、少数派であろう。コンテストの様子を見る限り高齢化が進んで後継者がいない感じだ。

 

それよりも・・バラはもっと気軽に植えて、庭や家の一部として溶け込むようにいるのが多くて、バラがあふれるように隙間なくぎっしり咲く、とか、ああいうのは日本だけの光景だ。

 

そして1本1本がでかい。風土に合っているということもあるだろうが、樹木として育てていることも多いので、10年もの、20年ものも珍しくない。そこまでくると手入れもほとんどいらない。

 

先日のガーデナーズワールドで、今週はバラの剪定をしましょう!でっかいRopperで苗の上部をわっさわっさと切ってハイ終了! 

もうたまげました。こんな雑でもいいそうですよww まだ葉っぱがたくさんついているというのに・・日本の剪定は苗が休眠に入る12月から2月の間にやるものです。

これでこのまま2月まで放置して、2月に痛んでいるところがないかどうか見てやればいいのだそうです。この調子だと誘引も2月にやるんだろうな。

 

まあ日本の庭事情から考えますと、イギリスは普通の家でも日本なら豪邸クラスの庭が多いですから、そこで日本みたいにちまちまやっていたら身が持たない。おおらかに植えておおらかに育てればよいので、枯れてしまったらそれはそれで仕方ありません。日照の確保(午前中4時間は日が当たることが望ましい)と、そこそこ肥えている土に植え、根っこが出来上がるまでの半年間だけ水やりに注意してやれば、あとは生き延びます。風通しが重要なので周囲に余計なものがないことが望ましく、最大成長サイズを考慮して十二分にスペースをとってあげることです。

 

 

そう考えると6本というのは既に多いか。でもあと5本くらいは追加したいなあ・・ これでも絞りに絞った結果なのだが 笑

 

我が家は、つるバラは手に入れない、樹形が暴れそうなもの、とげが多いものは買わないの原則。これだけでもリストがかなり絞られる。

 

いつか最終居住地が決まったらそこにバラを心ゆくまで植えたいのだが、そんな日が来るのかどうか 笑 それにそこに庭があるかどうかもわからない。そうなると究極の1本を鉢植えにすることになるのだが、それは何にするかな・・ 無人島の音楽だったらグールドの平均律かゴールドベルグの2択と決まっている。バラは・・うーん・・わからぬ。