Tortoise Bar

英国園芸&珈琲日記

自業自得のアブラムシ

今年は本当にアブラムシが多い。

ある意味自業自得である。

バラも果物もいまだかつてないくらい良い感じにできたが、そうなるとエサがいっぱい! ってことでアブラムシも発生しまくった。

多肥にしてはいけない、それは害虫発生を呼ぶということだったがまさにその通りになってしまった。

 

やっぱり昔からの教えには意味があるわ。バラも寒肥だけやってあとはやるな、といわれているのも、虫の発生を最小に抑えるためというのもあるんだろう。

 

そういえば、いつもなら虫に刺されるのは8月に入ってからなのに今年はすでに足も腕もかゆいことこの上ない。アブラムシの敵ってことでアリに噛まれているのだろうか‥??

 

ただ不思議なことにバックガーデンのバラにはほとんどつかず。

さすがに開花が進むと少し増えてきたが、アイスバーグは今年はスリップスにもやられず神々しい姿を拝むことができた。

 

果物は、りんごとさくらんぼの木がひどかった。

さくらんぼは毎年被害にあっており、葉っぱがちりちりになってしまう。

りんごには灰色のアブラムシが葉の裏側にびっしりついて、寒気を催すような光景に・・。

 

バラはフロントガーデンは全員やられたが特にひどかったのがトーマス・A・ベケット

ベケット氏は虫に大人気でダンゴムシまで花を食べようとするのには参った。ただそれを上回る精力の持ち主で、ただいま満開。庭中がいい香り。

 

またバフビューティに至っては花の中にまで入り込んでしまい遠目でしか眺められないような状態。あきらめて早々に花をカット。もともと今年は秋まで花は咲かせない予定だったからいいけど・・。バフさんは冬になったら鉢上げしてバックガーデンに行ってもらいます。

 

コーンフラワーも茎が真っ黒になるくらいアブラムシが。このアブラムシ体をフリフリさせるのが何とも言えずユーモラスというか、気持ち悪いというか。

 

アブラムシのうち緑はか弱く、スプレーで簡単に落ちるし被害も少ない。

灰色、黒と色が濃くなるにつれて強力になる。

植物によってつくものが違う。バラは緑、りんごは灰色、それ以外の大型植物には黒。

今年はこの黒が大発生しており、他の家の庭先でも真っ黒になった植物をよく見かける。南無。

 

だが今年からもう農薬は撤廃なのである。

もともと使っていたのはオーガニックで昆虫の神経をまひさせないやつというものだったが、それもきっぱりと使うのをやめた。自分のところだけきれいだったらそれでいいのか、アブラムシがいたら困るというのは人間の勝手にすぎない。

 

神経系にダメージを与えるタイプの薬剤は、ミツバチに打撃を与える。

今年は本当にたくさんハチが庭に来るようになったが、全てバンブルビーことくまんばちで、ミツバチは見たことが無い。バンブルビーは体が大きく、コロニーをつくるわけでもなく、単体で石垣のスキマなどに住み着くので、生き残りやすいのだろう。

 

ミツバチの数は年々減っていて、園芸のお花は趣味だからいいとしても、人間に必要な野菜などの植物の受粉もだんだんできなくなりつつあるのだ。

 

ここまでミツバチを見ないという現実に直面し、本当は巣箱を庭に作ってあげるのがいいのだろうが、まぬ犬もいることだし、せめてハチが来やすい環境にしてあげようと思った次第。

 

ミツバチが好きなのは地味な花で、本当はメドウに咲いているような自然なお花が良い。うちにはあまりないのだよな、その手のお花・・。花がないよりはましだけど。

 

とにかく、農薬は使わないかわりに、つぼみがつくまではニームオイル、片栗粉を水で溶いたものを塗る(これは葉が痛んだこともあったので中止)、最終的には酢水をスプレーして落とすことに落ち着いた。

 

ただこれは対処療法でしかない。2日くらいたつとまた復活。やってもやっても減らない。りんごの木に至っては、落としたアブラムシで地面が灰色に染まるという恐るべき光景となった。

 

だが・・

ふと気づくと、アブラムシが妙に減っているのである。よーく見ると、ヒラタアブの幼虫がわしわしとアブラムシを食べているのであった。

 

また、黄色い卵をコーンフラワーのあちこちで見かけるようになった。害虫? と思ったが、実はこれがテントウムシの卵であった。

 

そのうちテントウムシの幼虫はもちろん、テントウムシ本人が何匹もフロントガーデンにいるようになった。去年はほとんど見かけなかったように記憶している。

 

テントウムシの幼虫には羽がないのだが、結構な機動力があるようで、バラや、クレマチスの鉢や、ベケット氏2号などにもいつのまにか来ている。

 

まあこれも、減ったと思って喜んでいると、またしれっと復活したりして、なかなか思うようにはいかないけど、テントウムシやヒラタアブはかわいいし、まあいいか・・。

 

しかも庭にスズメがくるようにもなったのだ。

日本だとスズメはどこにでもいる小鳥だけど、ロンドンには実はそんなにいない。そのスズメが群れで飛んできてバラにとまって虫を食べていくようになった。

 

バラと果物以外は、アブラムシはそんなに気にならないし、コーンフラワーのアブラムシも気分は良くないが無理にとるつもりもない。

 

この豊富な餌場にテントウムシがどんどん来るようになったのは面白い。ヒラタアブもそうだけど、幼虫が食事する様というのはなかなかの見もの。

 

減農薬農法でも、アブラムシを寄せるための植物を植え、そこにひかれてやってきたテントウムシなどを集めて、他の植物の被害を抑えるようにするというやり方があるとか。コーンフラワーは手もかからないし、エサ用に継続してもいいかな、と思っている。

 

細かいことにこだわらずに、今の環境で生き延びられるものに生き延びてもらえばよろしい、すごく弱かったり、きれいに育たないものは、あきらめる。

広い場所でのびのびと鑑賞すればよく、ちょっとくらい虫に食われていても全体が元気であればそんなに気にならない。

 

今のところフロントガーデンにあっているのはヒューケラ、キャットミントゼラニウムフウロソウ)で、虫もつかないし、どんどん増えてよい感じである。

 

あと、ピオニーにも虫がつかない。

ピオニーはつぼみから蜜を出し、アリを集めてそれ以外の虫を寄せ付けないという技を持っており、アブラムシと共生するはずのアリがここではアブラムシを追っ払ってしまうのですね。ゴージャスで丈夫、手間もかからないということなし。でももうこれ以上植えるところがないww

 

それから、毎年ぼろぼろになっていたさくらんぼの木は、地道にスプレーで落としていたらある時を境に止まってきれいな葉っぱがでてくるようになった。

 

バランスが取れるタイミングというのがあるのかもしれない。アブラムシも、たとえば芽が出たばかりの小さな植物にはつかない。ある程度大きくなってきたところで新芽につく。枯れない程度に、ということなのだろう。発芽直後は虫を寄せ付けない化学物質を出しているのかもしれない。ガーデニングは奥が深いな・・。

 

トマトにつぼみがついた。我が家のは「ガーデナーズディライト」という定番中の定番。

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大雨で茎が曲がったので急いで支柱を立て、ついでにわき芽を取り除いてスッキリさせた。

このわき芽をそのまま挿せば新しい苗が作れるそうだが、もうこれ以上植え。。略。

 

 

アップルミントがだいぶ大きくなってきた・・のだが、味が普通のミントと変わらないという。がっくり。ミントは他のミントと混じりやすいという。種の段階で普通のミントと交配してしまったのだろうか。来年は苗を買おう・・。

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すっかり観賞用と化した小松菜。一緒に植えていたスプリングオニオンは消えてしまったww

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こんなに葉っぱが青くてきれいだとは知らなかったので、このままでもいいかな。黄色い花もなかなかよい。

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花が咲くととうがたっておいしくなくなるのかな? そろそろ試食してみるか。