Tortoise Bar

英国園芸&珈琲日記

4次元への旅・玉露

玉露はお茶会のエスプレッソ、と聞き、そういえば昔飲んだこと・・あったようななかったような。

 

実は最近、日本茶そのものをちゃんと飲みなおしたいと思っていた。

こちらでもグリーンティーは人気だしその辺の店でも普通にティーバッグで売っていたりする。しかし水のせいか、どうもいまいち。

 

日本に居たときも当たり前すぎて・・確かに一保堂のお茶は、京都に住んでいたこともあったので買っていたし、楽しめたけどそれ以外はどうだったかな・・?

 

お茶は日本の海外向けとなる大きな産業の一つであり、21世紀に入ってから急速にイメージを変えた。もともと良質なものはあったのにパッケージや流通の問題で知られてなかったともいえる。

 

それで玉露です。

 

今年のクリスマスプレゼントで、The Tea Makersから。

こちら

お茶としては破格の値段ゆえ、4グラムのお試しをお願いしていたのだが、義両親と義妹が気を利かせてくれて、キーマン紅茶と一緒に注文して送料無料にし、50グラム贈ってくれた。

 

結論から書こう。異次元の体験ができる飲み物である。空前絶後、こんな経験はしたことがない。

ティースプーン1杯のお茶葉で少なくとも3杯は楽しめ、しかもゴミが全く出ない、茶葉を食べてしまうからである。

またその杯を重ねるごとのグラデーションが面白い。そして飲んだ後の独自の覚醒感&精神安定度が素晴らしく、マインドへの効果が半端ない。

 

これは低温で出した時に抽出可能なテアニンの効果で、副作用なしに抗うつ効果があるなど、まさに真冬の今にぴったりだ。

 

淹れ方については試行錯誤中ですが、今使っているThe Tea Makersの玉露だと、40度の低温で2分以上淹れるのがカギのようだ。

 

あと出し殻の茶葉がうまい!

要はフリーズドライになっている野菜を食べるようなものだと思うのですが、その辺の下手な青菜より全然おいしい。

 

今回のお茶は50グラムで17ポンドほど。目安では50グラム2000円くらいからが最低ラインらしいので、中級くらい。ティースプーン1杯で大体2~3グラム、約4週間分。スペシャリティコーヒーで1か月分の250グラム、17ポンドくらいというと相当高級な部類になる。

 

The Tea Makersの推奨の淹れ方だと、4~8グラムを60度のお湯で、200mlで3分抽出になっていますが、これでは本来のうまみが引き出せないので残念なものになってしまいます(実験済み)。しかも茶葉が食べられるなんて書いてないので、非常にもったいない。

 

 

淹れ方は、お皿を使って入れるのが今のところ一番おいしい。お湯の温度と分量の計測が不要。抽出し終わってから口の大きい入れ物、サーバーなどに静かに注げばこぼれなく、1滴も逃さず飲める。抽出の時間も目視で判断とアナログながら、確実。

 

greentea-acapella.com

 

さらに衝撃なのは水出し。本式は氷を入れて15分とかなのだが、ティースプーン1杯の茶葉に水を200ml入れて一晩冷蔵庫に入れておく。これで大体いつもの分量、20~40mlで3杯飲める。

 

この方式だと、超高級日本酒からアルコールを抜いたものに等しくなる。まさに水、しかし水以上にうまいのはうまみがあるからですが・・ 酒は飲めないのですが高級酒を口にした機会はありますので・・これ絶品。無言になる。

 

抽出をゆっくり低温で行うほうがテアニンが良く出るという化学の原理にそった話でございます。

 

小皿とティーサーバーまたはコーヒーサーバー、ショットグラスがあればどこでも飲める。サーバーがなければ、ガラス製のメジャーカップやビーカーでもいい。ようは注ぎ口があればいいのだ。ティーポットは注ぎ口に開いてきた茶葉がくっついて注ぎづらくなるため、意外と向いていない。

色がきれいなので、皿も白、また入れものも透明なほうが楽しめる。

 

 

こんなミラクルな飲み物、しかも捨てるところがないなんてすごすぎます。

朝飲めば覚醒し、夜に飲めば鎮静と、1つで相反する力をもっている飲み物はこれしかない。

コーヒーのカフェインはその時は良くても切れると落ちてしまう。

酒は陶酔から覚める頃不快になる。これは私がアルコールを分解できないからですが。

そして余韻が長い。気持ちよさが数時間は続く。

 

コーヒーよりお茶のほうがいいような気がする・・ もちろんコーヒーも好きだけど、フィルターコーヒーなら家で飲まなくてもいい。上質の紅茶や緑茶の香りのほうが自分には合っている。

 

というわけでグラインダーを買うのは保留にして、お茶の迷宮に分け入ってみることにする2022年。