バービカンのナイジェル・ダネットの庭を見てきた。
悪名高きBrutalismの代名詞の一つ、もともと低所得者向けに作られた集合住宅。
現在はシティに徒歩5分の立地ということからお金持ちも結構住んでおり、一体どうやったら入居できるのかは謎。
巨大すぎて廃墟に住んでいるような感がある。いつ来ても人通りがなくがらんとしている。
スケールがすごい。
それでここをさらに美しく、住人のために心安らぐ場所に・・ということでシティオブコーポレーションが依頼したのがナイジェル・ダネット。
ここバービカン集合住宅は、構成が非常に分かりにくくダンジョンのようである。
過去にもこの庭に来ようとしてわからずあきらめたことがある。
もっとも簡単に見つける方法はバービカンの駅を出てすぐ左手にあるスカイウォークを上り、道路を横断する橋を渡って直進するとすぐ目の前にある。
素晴らしかった。
この印象的なグラスはSesleria nitida
どれもイギリスでは非常に育てやすく、手間がかからない植物でありながらここまで美しく迫力ある場所を実現していること。しかも四季折々に見どころが変わる。
見ているだけでこちらもエネルギーが満ちてくる感じがする。
今はユーフォルビア・ウルフェニーの季節ですね。
ブルーベルはもはや雑草、扱いたくないが、この白い花はどこで見てもすごく良い。わが王国に入れるととりとめなくなりそうで難しいかな、どうだろう。Allium triquetrum
上のリンクを読むと、綿密にエリア調査をしたうえで植栽を決定していることがわかる。周りをコンクリートの巨大壁に囲まれ、耐寒性がやや弱いものでも育ちやすいメリットはありそうだが、その代償として乾燥に耐えられないといけない、くらいは私でもわかるのだが、それよりもさらに細かくエリア分析を行っている。科学者の仕事。
バラも少しだけ。原種系に混じって野性的な扱いのこちら。クライマーを誘引せず大胆に植えこむというのも面白い。
色彩設計もきっちり行われている。ウルフェニーの黄色に対し、補色の紫、濃いめのピンク、白の3色と絞り込んでいて、葉色も全体的に青みがつよいものなので、統一感がある。青みカラーの葉は乾燥に強いものが多いから必然ともいえる。
シティオブコーポレーション、つまり自治体であるシティは世界有数のお金持ち。シティの土地や物件を所有していることから生まれる潤沢な資金を使い、超一流のガーデンデザイナーに緑化を依頼している。
植物好きな方がロンドンに来るならシティは外せないと思う。観光客もいないし、すごく快適に過ごせるのでお勧め。
この庭は、わが王国にも非常に参考になるので、頻繁に見にきたい。特に1月から3月にかけての冬から早春にかけてどうしているのかが気になる。