Tortoise Bar

英国園芸&珈琲日記

プールで低体温

英国で30度越えとなると大変な猛暑、ということになる。雨が全く降らないのが問題。地植えには水をやらないのが原則ながら、今回は様子を見て、日によっては朝と夜の2回水やりをしている。

 

ツルバキア・ピンクビューティの花が咲いた。淡いいい香り。シルバーレースのほうも間もなく開花予定。とても気に入りました。

乾燥に強いはずのオキナグサもさすがに暑すぎるようなので、隔日で水をやったら元気になった。

 

ルドベキアと、エキネシア、どちらがどちらか名前を混同しそうになる 笑 こちらルドベキア・ゴールドスターム

両方とも丈夫で、暑さにも強くて、ほったらかしでも平気なのがありがたい。こちらエキネシア・ヴァージン(だったと思う・・)

エキネシアのほうが好きかな。ぱきっとした解像度の高い花が咲く。今年はパリダを種から育て、苗がたくさんできました。

しかし最近はルドベキアも品種改良が進んでいるので、面白そうなのを1つ、種まきしてみた。それがサハラ。花を見られるのは来年。

 

梨は今年、たった2つしかなりませんでした。りんごはゼロ。ベルガモットも開花しなかった。

 

ミニトマトは、ちょっと水っぽい。去年のほうがおいしかったな。

フレンチラディッシュは実に簡単に育つことがわかった。しかしラディッシュって別に食べなくてもいいので育てる理由もなかった・・。

イチゴ・テンプテーションは1つ実がなりました。小さすぎ&味もほとんどなし。来年以降に期待。

ブルーベリー。実が少しだけでき、甘くてよかった。ブルーベリーは木そのものも美しく、とても楽しめる。

 

サンフラワー・レッドサン。2メートルに達した。

植えつけた位置と時期が良かったのか、大きくなったのはこれだけで、フロントガーデンのほうはひょろひょろです。日照も土もフロントのほうがいいのに??

花を切るとサンフラワーオイルの匂いがします。おいしそう 笑

ヒマワリって本当に太陽を追いかけるのですね。不思議。

 

大変楽しませてくれたバックガーデンのスイートピーも終了。

種を取ろうとさやを残して置いたら、いつの間にか弾けてしまっていた。来年、勝手に生えてきてくれるかも?

 

葉が全て落ちて茎だけになってしまったユーフォルビア・ファイヤーグロー。死亡・・と思いきや、そこはさすがユーフォルビア、再び葉が出てきました。恐るべき生命力。どうやら持ち直すようです。

 

 

 

種まき組は、じかまきにしたアグロステンマは1つだけ生き残った。カスミソウは3つ。

ニコチアナは地面に移植したらすぐに枯れてしまい、鉢植え組は成長中。

ブルースターは間もなく開花。

 

チョコレートコスモスが1つ発芽した。この種、4つしか入ってなくて9ポンドという大変高いお買い物。今回は2つだけまいてみた。

 

タリクトラム・フラブムももういい加減に鉢上げしないといけない。

ニコチアナもまだまだ余っているので、鉢上げしてもう少し大きくしてから、地植えにするかな。

その他、鉢上げを待っている苗がたくさんあるので、さっさとやってしまわねば・・。

 

さてブルーポピーことメコノプシスは、どんどん大きくなり葉っぱを増やしてきました。が、ここへ来て、うどんこと黒点を発症してしまい、ちょっと心配。適温が20度以下というのにこの気候なので枯れなければいいですが・・

 

フロントガーデンのトーマス・A・ベケットは今年、茶色の斑点に悩まされていて、水やりを増やしたら治って、しかも、花が大きくふっくらしてきたので、地植えのバラにももう少し水やりしたほうがいいのだとわかった。

 

ホース使用が禁止になる前に、庭でプールを楽しみ、すごく気持ちが良くて1時間、音楽聴きながら水につかってのんびりして、着替えて休んでいたところ、低体温症になりました・・・この程度でも発症するんだとびっくり。

 

急に血圧が下がるような感じがして、気分が悪くなり、周りが暑い暑いと言っている中、自分だけが上着を着ても寒い。布団にくるまってしばらく寝て、夕食をとったら少し元気になりました。結局夜寝るまで体が冷えたままで、暑さを全然感じませんでした。人間より小さいまぬ犬も低体温にならないよう、注意が必要。プールの水はもちろん捨てずに水やりに使用予定。翌日の今日も調子がいまひとつ。暑いからかもしれませんが。

 

バラ話の余談。ピータービールスは、ガーデンデザイナーのトーマス・ホブリンに頼んでバラ園のてこ入れをするようです。

トーマス・ホブリンはクリーンな、コンテンポラリーと古典をうまく融合したデザインをする人で私もファンであります。これは楽しみ。

 

ピータービールスから今年、かなり珍しいバラ、裸苗を3本予約していて、これが私のバラの購入の最後になる。1本だけにするつもりが、追加で電話して2本足したのは内緒・・。

 

バラは、もうこれ以上挿し木も作らないし、本数も増やしません。今年で卒業。もし何か買うなら、何かが枯れるか、どうしても我が家には合わないと判断した時のみ。現在19本、秋にやってくる3本で22本、十分ですね。

 

いろいろな庭を見る中で、やっぱりバラも庭の一つの要素であり、バラばかり、という庭はちょっと違うのかな、と思うようになった。次は2本くらい木を植えたくて、種類と位置を模索しているところ。

 

庭に限らず、今年の夏で、一つ、ドアを閉めた気持ちになりました。

いろんなことが過去になり、これまでとは違うことを模索していきます。ここから半年くらいは世界的にもサバイバルモードになると思うので、気を引き締めていきます。

 

 

 

 

 

Alchemy

某月某日

今日はAlchemyへ。

 

フィルターのナチュラルプロセス・ブラジルを頼んでみた。ここはロースタリーであり、オリジナルの豆を使っている。

 

 

ケーキがおいしかった。コーヒーも、おいしかったのですが、プルーフロックのような感動は無し。

以前はもっとエッジーな店だった気がするが、今はエスプレッソアイスクリームや、お菓子のほうに力を入れているようです。

 

まあ、朝からフィルターコーヒーを頼む人はどの店でも見かけたことがない。仕事前の気付けの一杯 笑 ですから、ラテとか、フラットホワイトの注文しか入らないようです。しかもここでも、淹れ方がよくわからないようなのが聞こえてしまった 爆 

 

家で淹れるほうが自分好みの加減にできるのだし、外で飲まないで自宅で買う豆に投資したほうが正解なようです。そして中途半端にお菓子など頼まず、プルーフロックで1杯のコーヒーで贅沢するほうが良い体験ができるかな・・ 一生懸命働いたお金の使い道、30分の夢を買うのですから・・

 

プルーフロックで買ったSEYのコーヒーはおいしかったなあ。この夏の思い出。

アイスで淹れて、氷で薄まってもなおおいしいという、さわやかさが忘れられません。

コロンビアのウォッシュトで、Arbey Narvaezの EL LIMONという、柑橘系の後味が気持ちよい豆。

 

そのSEYが終わり、ワークショップコーヒーのお試しセット、一袋150グラムが4つ入っているのを今飲んでいます。人気があるのですぐに売り切れる。

 

最初に飲んだのがGachatha AA というケニアの豆。

Producer 900 Gachatha FCS Members

Harvest December, 2021

Process Traditionally depulped, fermented overnight, fully washed & soaked, dried on raised beds.

Variety SL28, SL34, Batian & Ruiru 11

Region Kihora, Nyeri

Country Kenya

Altitude 1,800 to 2,100 metres

Arrival April, 2022

これも、また出てきたら注文したい豆だった。酸味があるのは苦手、というのが覆され、やっぱりコーヒーの王道はアフリカ、と思うようになってきた。フィルターに開眼すると、もうエスプレッソは飲みたいと思わなくなったので、エスプレッソ用の豆を買うのもやめることにした。

 

その次が、Ferney Maciasというコロンビア産ですが、こちらは、リピートはしないかな。

 

あと2つはまた開封したら書きます。

 

 

それにしても暑い。間もなくホースでの水やりは禁止になる予定。近所の人などに通報された場合、最大で1000ポンドの罰金です。洗車や、家でのプールも禁止です。

 

しかし、じょうろでの水やりは禁止されていませんし、植えて間もない芝生には散水してもいいことになっています。もともとホースでの散水はほとんどしていないのでうちの庭には影響なし。植物は焦げているのもいますけど。

 

ガーデニングは花がら切りと、水やりで精いっぱい。そんな中でも芽が出たり、花が咲いたりといろいろなドラマがあります。来週になったらもう少し涼しくなるようなので、気長に待つことにする。

 

やはり庭に、木陰と、ベンチが欲しい。

まぬ犬用に大型プールを買い、水を入れずに皆で入って日陰で寝転んでいるのですが 笑 自分で育てた花を近くに感じ、空を見上げながら寝ていたら最高でした。

明日はプールが禁止になる前に、犬2×ヒト2で水浴びの予定。

 

 

 

 

最近の音楽いろいろ

グラストンベリー2022のハイライトを見て思ったこと。

ロックはもう本当に終わったのね・・ラップ・グライム・ドリルが世界の覇者になった。

 

大御所も、ライブだと正直観るのがつらい。

プライマルスクリームとか・・ もともと音楽的にはそれほど上手ではないから仕方ないとして、モーツァルト級の天才、ポール・マッカートニーも、1曲目がShe Love youってどうなのか。もう少し頑張って見つづけたら、見どころはあったのかもしれないが、もういいよ、と飛ばしてしまった。生きてステージに上がるだけでもすごいとは思うし、何が1曲目だったらいいのかといわれるとわからないけど。

 

でもラップやグライムって英語ネイティブではない自分には今一つ意味がつかみきれないし、旋律もとらえにくいしで、積極的に聴く気になれない。

 

そんな中で一目で気に入ってしまったのがJoy Crookes

 

グラストンに出るのが夢だった、といって涙ぐむのが愛らしい。「別に・・・」で大問題になった女優さんに似てますね。

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暴力、貧困、差別などをテーマに歌う、本人もイーストロンドン出身で説得力がある。メッセージ性が強くて、絶対に消費されない、という強い意志を感じる。

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エイミー・ワインハウスと比較されたりしているようですが、エイミーは中毒がテーマで本人もそれで死んだ。ジョイはテーマは重いのですが、本人は健康そうで、それもいいですね。

今年のマーキュリーにもノミネートされた。そういえば今年のマーキュリーはラインナップがとりわけすごくて、やっぱり英国の音楽は奥が深くておもしろい。

 

そしてたまたまSportifyにMETAFIVEの新曲があがってきて、そういえばアルバムは・・? と思ったら、なんと例の件で発売が「中止」になっていた。なんだかなあ・・。現在は、去年の映像ライブを購入したら特典でついてくる形になっているらしい。

 


追記 ラストアルバムとしてリリース。高橋幸宏が病気なのでもう難しいのでしょう。


才能があれば何をしてもいい、というわけではなく、個人的にも容認はできないことだけど、罪を犯したら永遠に何もできないようにするのが、果たしていいことなのか。

 

本当の解決とは、回心して、もっと良い状況を作り出せるような行動を起こすことだろうし、それには、唯一無二の音楽の才能を生かして、メッセージを伝えることが最も良い気がするのですけどね。

 

くだらなくて笑ってしまったその新曲。くだらないがアツい。

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なつやすみのえんげいかつどう

やることリストをどんどんつぶしていきましたよ。

 

スパニッシュビューティの誘引 まっすぐのばす

クレマチス・ヴィエネッタの地植え

バラと同じくらいの深さの穴掘りを行いました。コツをつかんだので手際がよくなりました。

少し掘ったら水をかけて半日放置→フォークでゆるめてから掘る。掘れなくなったら水を・・の繰り返し。

 

オリーブの地植え:穴を掘りかけたが、位置を再考中のため保留。

プラムの木を抜く:上部を伐採。あとはドリルで粉砕。根っこの処理は冬頃かな・・。

ブルーベリーを地植えに:プラムが終了するまで手を付けられません

 

フロントガーデンのスイートピーを抜いて片付ける

3か月近く大活躍してくれたスイートピー、さすがに見苦しくなってきて終了。バックガーデンのほうはまだ咲いています。

 

スイートピーの鉢の余った土をポケットにまく 

 

ポケットとは、これまで連敗中の、何を植えても育たない庭のスポットのこと。

急にポピーの花つきがよくなってびっくり。栄養が全て吸い取られた土のはずだったのだが・・

マメ科の植物ゆえ地中に窒素を放出するので、それが効いたのか、あとは単純に乾燥が止まったのがよかったのか。

試しにジャパニーズアネモネをこのポケットに植えてみました。お隣から侵入してきている苗で、枯れても失うものは何もない 笑 意外と暑さや乾燥に強い様子なのでもしかしたらうまくいくかも。

 

フロントガーデンの拡張:70%終了

サルビアネモローサ・カラドンナと、エキネシア・パリダを植えました。9月になったらここへグラジオラスの球根を植える。

 

アキレアの移植テスト

どこからから種が飛んできたアキレアをバックガーデンに植えてみようとしたのだが、やっぱりはびこったら困るのでやめた。地下茎で増えるタイプの植物は慎重に扱わないと苦労する。フロントガーデンのほうも抜けなくて困ってます。

 

ロサグラウカの地植え

穴掘り。さくっと終了。根が完全に回っていて危ないところだった。

 

フロントガーデンの育ちすぎガウラ・ラベンダーの剪定

ディアレマの鉢上げ

ヘリオプシス・ムーンビームの植え付け

クレマチス・グレーブタイビューティの植え付け

一度は泊まってみたいグレーブタイ。ビチセラ系のクレマチスを育ててみたくて、ヴィエネッタの代わりに用意。グルーポンで投げ売りされていたのを捕獲。

 

カレンデュラの処分

梨の誘引

ベルガモットと、グレイスを除くバラの鉢をフロントからバックガーデンへ移動

 

これで庭がかなりすっきりしました。

 

 

夏の種まき組も発芽。イタリアンパセリオステオスペルマム・アイスブルー、セントランサス・ラバー・アルブム(白のバレリアンの園芸種)、ライムカラーのジニア、そしてフレンチラディッシュ

じかまきにしたカスミソウ、アグロステンマも成長中。

 

 

ガーデナーの新年は10月、とするなら今年も残りあと2か月。2022年は園芸的にとても充実した年だった。庭の整理をする、という目標でしたが、手付かずだったバックガーデンのボーダーを整備できることになって、植物はちょっと増えてしまった。そのなかで処分したものもあります。

 

また、バラを集めるのは今年でおしまい、これからは木など大きくなるものを植えたい。

 

21世紀の天候に対応できる、少数精鋭の植物の庭を作りたい、という目標を持っています。その一方で、いろいろなことを試せるのもあと3年、という予想もあり、育ててみたい品種を種まきを中心に2025年までチャレンジして、そこから私の庭にあうものを厳選する、という方向で行くつもりです。

 

種まきもコツをつかみ3年前よりもうまくいくようになってきました。

そこで追加で6品種蒔きました。あとは8月のバンクホリデーあたりでもう少し蒔いて、今年の種まきは終了です。

Anethum graveolens 'Mariska'  園芸種のディル

Calamintha nepeta 'Marvelette Blue and White'

Cosmos atrosanguineues 'Black Magic' チョコレートコスモス

Dianthus carthusianorum

Echinops ritro ルリタマアザミ

Rudbeckia hirta 'Sahara'

 

いずれも時期的にギリギリか、すでに外れていたりするのですが、気温が高い=地温が高い、よって発芽率が大変高いので失敗が少ないのではと予想。ダメでも来年残りの種をまけばよい。

 

来年は芝の手入れに取り組む予定でしたが、再考中。

このような天候ではもう手も足も出ません。フロントガーデンは芝をはがして白い小石などを敷いたほうがいいのかもしれないのだけど、そうなると動物のトイレになるのが目に見えているので、最終形をどうするか・・。

 

今年は久しぶりに夏が終わるのが惜しいと思った年でした。それだけ充実していたってことですね。

 

結婚記念日に、久しぶりに式を挙げたお庭のレストランで夕食をとりました。

やはりここも、今は手入れが行き届いていないのは仕方ないですね。それを差し引いても静かでとても良いところ。来年はバラの季節にアフタヌーンティーに来よう。

 

ぷぐ子4歳おめでとう。娘が作ったサツマイモのケーキ食べて満足。

 

他にも、娘と買い物を楽しんだりと、盛りだくさんの夏休みでした。

 

 

 

 

Fenton House

ロンドン屈指の高級住宅街、ハムステッドにあるナショナルトラスト所有の屋敷&庭園。

金曜と日曜しか公開されていないため、長年行けなかったのがようやく訪問実現。事前予約とチケットの購入が必要です。

 

17世紀には、このFenton Houseがハムステッドの丘の上にあるだけで、あとは野原だったらしい。

 

早く着いてしまったのでお庭を見てから、お屋敷見学。庭だけの見学も可能。

ハープシコードのコレクション、知人が寄付したという20世紀の絵画コレクションに加え、まぬ犬ファン必見の、陶器のパグのコレクションがあります。

 

こんなお屋敷に住んでお庭を眺められたら素晴らしいでしょうね・・。

 

 

 

さてここからは、まぬ犬マニア垂涎のマイセン含むパグコレクション。

 

 

もう少し細かく顔を描けなかったのだろうか・・ よそ見しているあたり、まぬ犬らしい。

 

どいつもこいつもみやげにもらったら捨てそうになりますが、時価にして数百~千ポンドくらいです(調べたことがある)

 

 

 

 

 

庭の構造は下記のようになっている。

 ガーデンパーティができそうな芝の整形式庭、そのうしろがパルテール、区切られた私的空間あり、果樹園やキッチンガーデン、温室ありと、正統派な英国のお屋敷の庭園。

 

ちょっと残念だったのは、庭のベストシーズンではなかったこと。今年の40度の高温日を経て、芝は枯れ、植物もかなり傷んでいます。今年4月~6月の間に訪れていたら、一季咲きのバラが咲いて、芝も美しかったことと思われる。

 

 

先日のホーニマンミュージアムが同じ条件で6Kテレビなみの高解像度な美しさを見せていたのと比べると、やはり見劣りします。屋敷の持ち主も草葉の陰で涙していると思う。構造がきっちりしているのが救い。このトピアリーやヘッジを維持するだけでも相当大変なこと。

 

 

それでも素敵ですけれどね・・。

 

 

ちらっと見えている赤いのはアマランサス。来年は育ててみるつもり。オーナメンタルで庭のアクセントになる。このお庭も、できるだけ手入れを減らしながら四季折々の見どころを設けるように、植栽を変えてきているのが見てとれる。21世紀の気候変動とコストの高騰で、英国式庭園の維持は本当に難しくなってきているのを実感。

 

 

 

もし私が庭のオーナーなら、夏場は庭はいったん閉鎖して、春と、秋の公開を11月まで伸ばして行う方式にするかな・・と思いました。疲れている庭を見せるのはちょっとつらい。

 

それでもハムステッドはいつ来ても素敵。ハイストリートをゆっくり散策して、素敵なカフェでパンケーキ食べて帰ってきた。

 

今回の訪問で一番記憶に残ったのがこのカフェだったかも。ハムステッドに来たらまた立ち寄ることにしよう。

 

 

夏休みも終わりが近づいています。毎日が夏休みでは退屈してしまうので、名残惜しいくらいがちょうどいいのでしょうが、今年は天候も良く、もっとお休みしたかったな~。

 

Horniman Museum and Gardens

1901年にはすでに公開されていたという、茶の輸入で得た財で世界中の博物を集めまくったホーニマンさんの個人博物館に行ってきた。

 

お目当ては、ミュージアムのほうではなく、新宿根草主義に基づいて作られたプレーリーガーデン。ガーデンズイラストレイテッドの記事で見て気になっていた。このスタイルに作りかえられたのは2015年頃。

 

www.gardensillustrated.com

 

実物は、記事で見るのより何倍も良かった。

すごく新鮮だし、フロントガーデンはこういうスタイルのほうがいいのでは・・と考えるきっかけになった。おなじみイングリッシュローズも少しあったけど、全く目に入ってこない。

 

レイヤーの美しさが圧倒的。

 

やっぱりエキネシアはいいなあ。見ていて気持ちが良い。

 

この表面が小石なのと、通路の赤茶色が全体に明るい、光を感じさせる印象になる。

 

 

 

グラスも見事。ディスカンプシア・ゴールドタウですね。

 

 

 

もともとはキッチンガーデンだったそうで、その名残で野菜、ハーブ、染料などのコレクションもある。

 

 

 

アーティチョークの園芸種、一度育ててみたい。

 

 

気候変動に対応でき、ローメンテナンス・・とはいえ、メンテナンスはもちろん必要ですが、ガーデニングでもっとも面倒な、水やりと雑草の駆除の頻度は激減できるのがいい。

 ルリタマアザミが見事。

ここまで徹底した新宿根草主義のスタイルが見られる場所は、ロンドンにも少ない。博物館も含め無料で公開されているのもすごい。これはホーニマン氏がもともと人々の教育のために・・と早期から公開していた意志を継いでいる。

 

丘の上にあって見晴らしの良い気持ちの良い場所でもあり、時間があればここを起点に森をゆっくり散歩したりもできる。

 バナナの木みたいなのは芭蕉の木でジャパニーズバナナツリーが英名。冬越しはどうしているのだろうか?

 

20世紀のイングリッシュガーデンから、21世紀はこういうスタイルの庭にますます移っていくだろうという気がした。新鮮で力があり、未来を感じるお庭ですごく良かった。植物も気持ちよさそうだった。

 

 

一見シンプルなようで複雑で、風通しの良いこの庭を連想させる曲。

www.youtube.com

次は冬に来てみたい。植物が枯れたところをどう表現しているのかが楽しみ。

 

 

 

 

 

 

シティの底力

某月某日

先日感動したお庭にまた行ってみた。

やっぱり、ここはすごいな‥!! 

教会のゲートのように人々を迎えるジャスミンの柱にまず圧倒される。前回来た時は花がまだ咲いていなかった。

 

 

これだけ巨大な、シメトリカルなボーダーは、そうそうみられるものではありません。

 

 

この通路をはさんで座席が左右に並んでいた、と想像してほしい。朝日が、礼拝台に当たって、それは壮麗な光景であったのだろう。

 

 

 

ニュードーンが終わった後の主役はクレマチス。白はアルバ・ラグジュリアンスかな。いずれもビチセラ系ですね。

 

 

 

面・点・線のお手本のような植栽。ベルゲニアもこのように使えばいいのだわ。

20世紀初めまでなら、足元を隠す手前のグリーンはツゲ(Box)だったけれど、害虫が増えて維持が難しくなってきているので、どこのお庭でも代用の植物を使うようになってきました。

 

ニコチアナ・シルベストリス(中央のライムカラーの植物)で庭に構造を与える。

だけど個人の庭に植えるとちょっと地味だろうか・・。

このような広大な場所と、自分の庭とでは効果において必ずしも一致しないのですね。

まずは今種まきした一般的なニコチアナで様子を見てみよう。

 

やっぱり庭のカギは緑。

それから自分の好きな植物を植えるのではなく、自然環境と構造に似合う植物を選ぶこと。

しかし「あの植物を育てて花を見てみたい」っていう気持ちもあるので難しいですね。

キーになる植物が大きく育ってくるまでの間、隙間に何か植えてみたりして楽しみ、最終的には点数を絞り込む、でいいのかな。

今年の夏がここまで暑くなるなら、私のフロントガーデンはもう一度植栽自体見直したほうがいいかもしれないとも思っています。

 

ボーダーの反対側は工事中。もとBTのビルですが、ここも、トム・スチュワートスミスが周囲の庭と、ルーフガーデンをデザインすることになっています。朝日がビルの間から顔を出す。

 

 

 

私の背丈くらいはありそうなアガパンサス、サイズ違い、色の違いで変化をつけているのがおもしろい。

その手前はペンステモン、そしてセダムキャットミントなどお馴染みの植物。

 

 

つい植物を見るのに夢中になってしまうのですが、本当はベンチに座って、植物の名前など分からなくても良い、何百年と続くこの場所に思いをはせればいいのですよね・・。

 

ジャスミンをスクリーンにしてノリウツギが美しい。赤のヘメロカリスがアクセントになっている。

 

 

続いてセントポール近くの植栽。

オレンジコーナー。夏にこういう色を見ると元気が出る。

 

 

 

 

前回も紹介した灰皿植物がある植え込み。ルドベキアが咲き始めた。

 

 

 

ガウラ、ロシアンセージにエキネシア・パリダ。涼しそうな組み合わせ。

 

いずれも、あの猛暑の日を過ぎても乱れなし・・きっちりメンテナンスが入っている証拠。放置ではこの姿はとてもじゃないが維持できない。シティの底力、そこまでちゃんと予算を取っているわけです。ちょうどこのあと、、メンテナンスチームが休憩しているところを見かけました。

 

 

注文しておいた植物が届き始め、私の夏休みも始まりました。