Tortoise Bar

英国園芸&珈琲日記

トーマス・A・ベケットとご近所さん

なんだよ、「イングリッシュローズ」なんていってもうちの近所で見かけないよ・・?

春先は大きくなるハイブリッドティーにどうしても目が行く。

が、夏場になると、実はあの家にも、この家にも・・植えられていることが分かってきた。

 

日本と違い、この国は基本的に何でも大きいので、全体的に小ぶりで繊細なイングリッシュローズはフロントガーデンのボーダーでは、大量に植えつけられているか、または大株に成長してでもいない限りあまり目立たないのだった。

目立たない分、ボーダーで他の花とともに品よく咲かせるのが、DAの本来の使い方なのかもしれない。

 

うちの斜め向かいの家は、玄関の壁に白つるバラがあり、引っ越してくる前からあったようなのでこれも15年以上の株のような気がする。そして大きなハイブリッドティーが1本、これは全く手入れされていない状態で巨大化・・イギリスの家庭にありがちな状態 笑

 

と、これだけで他に植物は一切なし。芝生もない。そこへ、我が家と同じくコロナでヒマだったのだろう 笑 隣家の塀のところに新しく花壇を作ってバラが3本植えられた。やがて赤いきれいな花が咲いて、塀に小さいトレリスを打ち付けて花をサポート・・はいいのだが何だかやっつけ仕事だ 笑 まあ、私もDIYは苦手なのでヒトのことは言えないが、ここの家はご主人がバラの手入れをされているようだ。

 

その花が終わり、2番花が今咲いていて、よーく見たらうちにもあるトーマス・A・ベケットだった 爆

 

今年、この品種はBBCガーデナーズワールドで2回も紹介されてしまい、人気になったのかもしれないなー。

 

我が家は株を大きくすることに集中しているため、花はほとんど咲かせず、ひっきりなしにあがってくるつぼみをすべて取り除いている。

 

ご近所さんはもちろんそんなことはしていない。どころか花柄摘みもしているか怪しい。その結果同じ苗を同じ年に購入しても、現時点でかなりサイズが違う。うちのバラは猛々しいくらいにトゲがでて、葉だらけ、シュートもたくさん出た。花が咲いていないせいもあるが、同じバラとは思えないくらいすでに見かけが違う。

 

バラが本領を発揮するのは3年後だと思っているので、来年、再来年を経て、え、これが同じバラ、うそでしょ? となるのだろうな・・。また生育環境の違いもある。ご近所さんのベケット氏は西日しか当たらない。うちのベケット氏はほぼ1日中日に当たっている。その代わり強風にさらされやすい。大株になってくれれば、風にも負けなくなるのでそれまでの辛抱。

 

そしてそういえば・・2階まで上がってくるくらいの強い香りの持ち主なのに、ご近所さんのベケット氏は、たまたまかもしれないが、通り過ぎても香りが感じられなかった・・。

同じ個体でも、わずか数か月でこれだけ違ってくるので、やはり園芸は奥が深い。