Tortoise Bar

英国園芸&珈琲日記

Nymans

記念すべきナショナルトラスト第1号の庭園。

Haywards Heathのエリアにある。

曇りでお天気がぱっとせず、また庭のベストシーズンは過ぎていたがそれでも見事だった。

今回は、ついたところでたまたまガイドさんがいたので庭園を案内してもらった。

 

このお屋敷の歴史や、自分では気づかない今ならではの見どころを教えてもらったりと、メリットは大きいが、自分の印象が変わってしまうこともあって感動が薄れるというデメリットもあるかなと・・。

 

順路としては、本来の設計通り、入ってから左回りに、樹木園を抜けて見事な景観をみて、お屋敷の正面に回り、それからお庭を見たほうが良い。

今回は、これに逆行して裏口から庭を通ってお屋敷で終わるというルートだったので、壮麗さがちょっと薄れてしまったかも。

 

ガイドさんが同伴しないと、非公開のruin gardenが見られないので参加したのだけど、私の好みから言ってこのruinのお庭は、ちょっとどうかな・・? だった。せっかくのセッティングを生かし切れていない気がした。

 

しかしもろもろ差し引いても、見事。紅葉が美しい。花もいいけど樹木園をゆっくり散歩するのも秋ならではの楽しみ。

 

25エーカーって・・ これが個人の邸宅だったのだから恐れ入る。ビル・ゲイツクラスのお金持ちでないと21世紀では維持不可能。土地もさることながら、この邸宅の経営だけで一体いくらかかるのだろうか。もとはユダヤ系ストックブローカー一族の持ち物で、子孫の一人は王族と結婚してもいる。

 

余談ですがうちの近所の2エーカーの個人の庭園を見に行ったことがあり、その時の実感としては、私が現状の体力で維持できるのは0.5エーカーくらいまでかな・・ えっ、600坪か・・。通路とか壁とか芝とかあるので、実際の植栽エリアは少ないし、家も入れてなので、そのくらいなら、と思ったけど無理かな。

 

ナイマンズは、お抱え庭師がプラントハンターとなり、南米などの珍しい植物のコレクション、およびナイマンズで作出されたオリジナルの品種もいろいろある。

 

また庭園の中にはアトリエもありまして、お抱えの画家がそこで絵をかいて販売もしています。

 

ここも、温暖化の影響及び、環境への配慮、そしてコストの高騰を考慮して、5年前から植栽を変えてきている。

 

まず水やりは一切していない。もともと水脈が豊かな場所にあることもあるが、雨水をタンクでためたもので種や苗を育て、植えつけたらもう水やりはしていないそう。

 

また、お屋敷そばの高台にある庭は、乾燥に強くローメンテナンスでいける植栽に変わった。最近よく見かけるタイプの植物群。とはいえ、高台の広々した感じとマッチして、見ていてとても気持ちが良い。ありふれた感じはしない。

 

お屋敷。マグノリア/タイサンボクが見事。10メートルはあるかと。

 

 

そして非常に構造的な感じの植栽。かっこいい。やっぱり花よりこういう植えこみのほうがよくないか? 

 

 

ツルバキアとエリゲロンだけのシンプルさがかわいい。これも美しい石畳があってこそですが・・ため息。

写真見て気づいたが、ツルバキア・ピンクビューティですね。うちにもあるが花つきがとてもよくて気に入っている品種。UKのナーサリーで最近作られた品種です。

 

 

イニシャルをかたどったベンチ。その時々で配置を変えているようです。

 

 

 

ナイマンズの有名なボーダー、今はダリアとサルビア

 

 

ほかにもハンカチの木など樹木のコレクションもある。

 

ローズガーデン、花の盛りに来たかったな~。あまり見かけないオールドローズがたくさんあり、実物を見てみたかった。唯一咲いていたのがこれ、ベンガルクリムゾン。ムタビリスの代わりにうちにも植えてみたいなと思った。

 

 

 

せっかくの大邸宅も、戦後、冬に凍りついたパイプを溶かすために火を使っていたのが原因で燃えてしまい、半分ダメになってしまいました。

そのあとを生かして廃墟の中に植えこみを作ったのがRuins Gardenですが、どうですかね・・せっかくの重厚な石の壁と、空を生かして、何かもっと別の方法がありそうな気もします。

 

 

ナイマンズで栽培された植物を売店で購入可能です。今回は見ただけ。今回は車で行きましたが、次は自力で電車に乗って行ってみようかな。

アクセスしやすいのとナショナルトラストになっているせいか、平日、シーズンオフでも結構人がいたので、ハイシーズンはそれなりに混みそう。

 

次は夏の始まる頃にバラを見に行ってみたい。