以下は先週のBBCガーデナーズワールドから。面白かったので紹介。
すでに何年も前から始まっているピートフリーの取り組み。
英国では生態系の破壊につながるとして、園芸資材としてピートモスの使用を禁止する方向で動いており、2026年には、輸入品も含め、全ての園芸販売苗での使用を禁止(一部例外あり)になる。
2023年現在、90%のオーナメンタルプランツの苗で、ピートモス入りの土が使われている。これをあと3年でピートモスなしに変えるのはやっぱり大変だと思う。当初は2030年が目標だったのが、3年早まることになった。
イギリスの園芸苗市場は300ミリオンポンド以上(505億円)
※ちなみに日本のガーデニング・家庭菜園市場は2022年で2000億円を超えています。苗以外も含まれていると思うので単純比較はできませんが・・
日本の人口1.2億に対し、イギリスは6733万
市場で販売されている苗は2-3000種類
思ったより少ない。日本のように、1年草に品種改良を大量に行って、1株1000円以上するものに皆が飛びつく、といった市場ではありません。
すでに市場にはピートフリーの用土製品はかなり出ている。
RHSでは、ピートフリー切り替え支援のため、試験場を作り、依頼を受けたナーサリーがピートあり・なしで生育にどれだけ違いが出るかのチェックを行っている。
で、当然ですが植物によって、ピートなしのほうが生育がいいもの、いまいちなものがあります。生育が伸びないものをどうやって今後は商品として作っていくかが課題。
以上は通常の園芸苗ですが、最近英国でも大人気のハウスプランツ、こちらも問題が大きい。2022年は、英国の大人の2人に1人がハウスプランツを1個は購入した計算になるらしい(私は買ってない 笑)。
イギリスではハウスプランツはほぼ輸入もので、土はピートモスを使用したものがほとんどだそう。
今後はピートフリーで育てられるようにこちらも研究が進んでいる。
ちなみに・・
ピートモス入りの土がイギリスで売れるようになったのはJohn Iness のブレンドが普及したからですね。
John Inessとは、イギリスの富豪&篤志家で、遺産をイギリスの園芸の発展のために寄付し、その名を冠したバイオサイエンス&園芸研究所が作り出した、植物がよりよく育つための土のフォーミュラで、No.1からNo.3まであります。
例えばバラの土ならNo.3が推薦となるのですが、これに必ずピートモスが入っているのですね。最近はJohn Inessでもピートフリーの製品が出ています。
ピートモスの主な代用製品としてはココナツ繊維、ココピートがメインかな。
ピートモス入りの土は、2024年からは、一般消費者向けの販売は基本禁止予定です。
ピートモスは非常に優れた園芸素材だし、ピートモス入りの土のほうが、ピートフリーの土より、鉢植えの場合は育ちが良かったです。でも、家庭の場合はないものだと思えばそれはそれで何とかなる。土の配合を自分で変えるなどして、ほとんどの場合は技術でカバーできそうな気もしますね。