Tortoise Bar

英国園芸&珈琲日記

ボーンマス逍遥

所用があり行ってきた。

天候に恵まれませんでしたが、ヴィクトリア時代に興味がある人は一度行くといいと思う。特にここ Russel-Cotes House and Museum

russellcotes.com

 

ホテル経営で一代で財を成した夫妻のお屋敷、日本趣味で日本庭園もあり、調度品がすばらしい。

クジャクの間

 

海が見える寝室。このお部屋のほか、ツバメのモチーフがいろいろなところに使われていた。

プレラファエリアンの絵画もいいのが置いてある。

ロッコ風の天井

日本の間

お庭。季節が早すぎて残念。

しかし昔の少女漫画家はすごいな・・ここのお屋敷は坂田康子、甲斐由紀子などの漫画の舞台かと見まごうばかり。ネットもない時代、旅行だって大変だった頃に、どうやって調べていたのだろう。

 

ドーセットの海は砂浜で、ここボーンマスエリアにかけて全長20キロ以上も続く。

ヴィクトリア時代から戦後くらいまで、ここへ避寒・避暑に来て浜辺や公園を逍遥するのが流行の最先端。「失われた時を求めて」の「花咲く乙女たちの陰に」のドーヴィルも、国は違えど、こんな雰囲気だったのだろう。

公園。こちらも少し季節が早いが、春や夏は素敵なことだろう。

海洋性気候で温暖なため、ロンドンやそれ以上北では育ちにくい植物もよく茂っている。それも当時の人の目には異国気分が味わえる場所として人気があったと思われる。

しかしシーズンオフ&地方都市&昨今の不況で、町の雰囲気はあまりよくない・・。

閉まっている店や、ロンドン以上に怪しげな感じの非英国人が多い。

 

 

店内はいい雰囲気だけどコーヒーは・・シティのように石を投げればスペシャリティコーヒーにあたるというのが特殊なだけ。

また食事も・・・日本のようにどこへ行ってもおいしいものが食べられると思ってはいけない。90年代のイギリスを久しぶりに思い出した 笑

 

イギリス生活も長くなってくると、別のところに目を向けられるようになる。

食事に関しては、食べられるものを食べる。それよりリラックスして、広告や人ごみに汚染されていない、おそらく200年前とそれほど変わっていない自然を楽しむのが良い。

海はきれいだし、それを取り巻く植物たちも自然な姿。

 

早朝から水泳やサーフィンを楽しむ人も。次に来るときはランニングシューズをもってこよう。浜辺を走ってみたかった。

 

 

ボーンマスはトマス・ハーディが滞在し、町の教会にはフランケンシュタインの作者、メアリー・シェリーのお墓もある。

ヴィクトリアンになった気分で、海辺を逍遥=strollして帰ってきた。