Tortoise Bar

英国園芸&珈琲日記

バラの誘引終了&冬の読書 

バラの誘引が終わりました。

最後のファンタンラトゥールはとげがなくて素手で扱えるので楽ですが、長い枝がたくさんあり、右に分けるか、左に分けるかで考える時間が結構必要でした。

 

スパニッシュビューティーの作業中にいつも使っているストレッチ素材のひもを使い切ってしまい、以後は麻ひもで止めているので、縛り直しが必要な個所がありますが、それはゆっくりやればいいので、ここまで年内に終われば一安心。

 

日光の当たり具合の違いなのか、スパニッシュビューティーは誘引途中に芽をボロボロ落とさざるを得ないくらい発芽していたのに、ファンタンラトゥールはいたって普通でした。

 

風邪は、まだ気管支に何かが残っています。相当酷い。でもまあ日常生活は営めるくらいに回復した。

この間、大量に本を読みました。

 

トーマス・マン魔の山

中学生の時に初めて読んでから、何度も読んでいる本で、前回は2019年に読みました。

コロナを経て、さらに新しくなったと感じました。読めば読むほど新しくなるというか・・読み手の自分が古くなっていくからそう思うのか 笑

しかもテロ、戦争など、本当に今の2023年と状況が恐ろしいくらいにかぶっています。

大戦中も、実際に生きているとこんなゆっくりした感じで、目先のことを考える程度だったのですから、今、本当に戦争下にあるのだなと思い、恐ろしくなりました。

 

この生活での最大の恐怖は病気が治らないとか死にゆくとかだけでなく、精神が沈んでいくことにあるのです。前回読んだときはそれに気づきませんでした。

 

超高級サナトリウムでの生活は、何も起こりそうにないようで、閉ざされた空間の中でも人の出入りはそこそこあるので、それなりの出来事はある。日常生活だって、ドラマみたいな劇的なことはそんなに発生しない。それでも「どこにも出ていけない」しかも20代の若さで将来に関与することを行うことができない、というのはむごい。いや、若くなくても良いことではない。

 

しかしそんな日常に埋もれてしまって、潮目を逃す、戦争の影に気づかないなど、知らない間に分岐点を渡ってしまっているのはどこにいても同じことなのかもしれない。これも怖い。

 

マンはやっぱりいいわ。長編で読めていないのは「ファウスト博士」のみ。英訳で読むのはすごく大変そう・・・復刊か、新訳が出ないかなあ。

 

読書日記続きます。